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  • 都市に木陰を 気になる記事より

    都市に木陰を 気になる記事より

    今年もまた暑い日が続いていて、駅までの道のりを汗だくで歩いている。日傘が手放せない日々、ということで最近立て続けに見た気になる記事をいくつか。

    気候変動で生じる気温の上昇への適応策として都市に樹木を増やすことが有効というような内容。
    日本で街路樹と言えばいつの間にかやっかいもの扱いされるようになってしまったけれど、世界的にはもっと都市に樹木を増やそうという流れがあるようで。

    これからますます暑くなることは自明の事実。脱炭素へ向けた取り組みと平行して、いやもはやそれ以上に急務なのかもしれないけれど、気温の上昇に備えた適応策を取っていかなければいけないという重たい事実。
    人間の都合で自然を切り拓いて作られた都市に、人間のためにまた樹を増やそうというのも勝手なものだけれど、樹木が増えることで、日陰が増えるだけじゃなくて、コンクリートに塗りこめられて直線で切り取られた風景が変化することが及ぼす影響に希望があるように感じる。

    最近見たひとつは、朝日新聞の記事(2026/7/13)で仙台駅の近くの定禅寺通りの街路樹の例。仙台は「杜(森)の都」と言われるらしい、すてき。

    記事によると‘樹木がつくる陰の面積が都市全体のどれほどを占めるかを示す「樹冠被覆率」を指標に掲げる。30%になると、平均気温が0.4度下がり、熱中症など暑さが原因の死亡者を40%減らせるという医学論文も発表されている。‘とのこと。40%ってすごい。

    NYでも最近市長が変わって以降樹冠被覆率を30%にする目標が掲げられたとのこと。
    アメリカと言えば、WIREDでシカゴでの研究例が紹介されていた『都市を覆う樹木が減ると、住民の死亡率が上がる:研究結果』
    ”植樹したからといってすぐに樹冠が拡大するわけではないと、研究者たちは警鐘を鳴らす。若い苗木が枝葉の茂った樹冠へと育つには何年もかかるが、成木はすでに広い日陰と冷却効果をもたらしている。病害や嵐、開発などによってこうした木々が失われれば、何十年もかけて育った樹冠がほぼ一夜にして消えてしまう可能性がある。”
    これは日本の街路樹の現状には切実に当てはまること。切り倒されてしまう立派な樹木、枝葉をばしばしに切り詰められている街路樹のことが脳裏に浮かぶ。

    そして台湾が決めたのは徒歩6分以内に木陰をという取り組み。‘徒歩6分以内‘という分かりやすいようなそうでもないような、測りにくい基準ではあるけれど…。
    1,000万本という想像もつかない数をどのように植え、そして維持していくのかは引き続き知りたい。

    日本は国土の7割近くが森で樹木が豊かではあるけれど、そのことと都市部での街路樹の必要性はまた別のこととして捉える必要があるのだろう。乗り越えるべきはおそらくお手入れ(その費用)や虫の問題。ただ、気になるのは、記事にもあるように成長するのには時間がかかるということ。この変化のスピードと成長が間に合うのかという懸念は残る。
    間に合ったとして、いつか都市の中の緑というより、森の中に都市がある、そんな街並みが広がったら、気候変動への適応策を越えて社会の仕組みをがらっと変えてしまいそうな気もする。

    そしてアーバンではない地域での暮らしでも歩いてみると木陰はとても少ない。車が前提のまちづくりなのだろうから仕方ないにしても、身近な森だけでなく身近な木陰があちこちにできるといい。木漏れ日が落ちる場所には束の間の静けさと平和が現れる。樹木が増え木漏れ日の落ちる木陰が増えることは、暑さへの備え以上にわたしたちを憩わせてくれるだろう。これからこの流れを広げていけるのか、わたしたちと自然との向き合い方がひとつの鍵となっていくのかな。